【仏教の教えを簡単に解説①】浄土三部経「佛説無量壽経」の意味と内容

お経とはお釈迦様とお弟子さんたちの問答を物語のようにまとめたものです。そのためお経には当然意味があり、それを理解することでお釈迦様が何をお伝えしようとしたのかを知ることが出来ます。

浄土真宗がなかでも大事にしているお経が3つあります。1つ目は佛説無量壽経、2つ目は佛説観無量壽経、3つ目は佛説阿弥陀経です。今回はこれら浄土三部経のうち、佛説無量壽経についてどのような内容であるかを、簡単にわかりやすく解説します。

お経が描写している状況

お経の始まりは、その日その場所の状況説明から始まることが一般的です。このお経では、ある日釈尊は1万2千人の優れたお弟子さんたちと一緒に居りました、という描写で始まります。

その日釈尊は大変喜び満ち溢れた表情をしていたので、弟子の一人である阿難は、「これまで見た中で最も尊いお顔をされていますが、お釈迦様はきっと他の仏様と念じ合うという徳のある行為をしてくださっているのですね。」と尋ねました。これに対してお釈迦様は「阿難、よい質問ですね。今からあなたのために詳しく説きますよ。」ということでお釈迦様の語りが始まります。

 

お釈迦様がお話された内容

法蔵菩薩と世自在王仏

以下はお釈迦様の語りの内容です。

「世自在王仏」という仏様がいらっしゃいました。あるとき一人の国王が世自在王仏の説法に感銘を受け、さとりの心を求め、国も王位も捨て法蔵菩薩(未来の阿弥陀如来様のことです)と名乗り修行に励みました。この法蔵菩薩が世自在王仏に、「世自在王仏様は大変すばらしい。願わくば私も仏となり、迷える人々を救いたく思います。これから申し上げる私の願(または志)を認めてください。この願を必ずや果たし遂げて見せます。そのためにどうか私に教えを授けてください。」とおっしゃるのでした。

これに対して世自在王仏は「どのように修行し国土を清めるのかは、あなたがきめることですよ。」とおっしゃいます。しかし、法蔵菩薩は「私などにはとても理解できるものでありません。是非お教えください。」とおっしゃったことから、その志の高さが認められ、世自在王仏から崇高な教えを授かるのでした。それにより法蔵菩薩はさとりの心を開き、自身の48の願を世自在王仏に話して聞かせるのでした。

法蔵菩薩の48願

ここから法蔵菩薩の48願が続きます。これらはすべて、「私が仏になったとき〇〇であるならば、決してさとりを開きません。」という形式になっています。以下〇〇の部分を埋める形で48願を紹介します。

  1. この国に餓鬼畜生がいるならば
  2. 人々が死後ふたたび地獄餓鬼畜生の世界に落ちるならば
  3. 人々が金色に輝く身とならないようであれば
  4. 人々に美醜があるようなら
  5. 人々が宿命通を得ず過去のことを知り尽くせないならば
  6. 人々が天眼通を得ず仏がたの世を見通せないのであれば
  7. 人々が天耳通を得ず仏がたの説法を聞き取れないのであれば
  8. 人々が他心通を得ず仏がたの国々の人の心を知り尽くせないのであれば
  9. 人々が神足通を得ず仏がたの国々を飛び廻れないようであれば
  10. 人々が執着するのであれば
  11. 人々が必ず悟りを得ることが出来ないようであれば
  12. 私の光明に限りがあり仏がたの国々を照らせないようであれば
  13. 私の寿命に限りがあり遠い未来に尽きるようであれば
  14. 私の声門の数に限りがあるようであれば
  15. 人々の寿命はなくなるが、願によって長さを自由にできなければ
  16. 人々が悪を表す言葉を耳にするならば
  17. すべての仏が私の名を褒め称えないならば
  18. すべての人々が私の国に生まれたいと思い、十回の念仏で生まれ変われなければ
  19. すべての人々が悟りを求め功徳を積み、命を終えるときに私がその人の前に現れられなければ
  20. すべての人々が心から私の国に生まれたいと思い功徳に励まなければ
  21. すべての人々が仏に備わる32種類の優れた特徴を持たなければ
  22. 他の仏のもとにいた菩薩が私の国に生まれたとき私の補佐になることが一般的だが、願によってその限りでないことにならなければ
  23. 私の国の菩薩が、仏がたの供養をするにあたり短い時間のうちにすべての国々に至らせられなければ
  24. 私の国の菩薩が、仏がたの前で功徳を積むにあたり供養の品を望み通り得られなければ
  25. 私の国の菩薩が、智慧について自由に説法できなければ
  26. 私の国の菩薩が、強靭な肉体を持たなければ
  27. 人々がすべて清らかで美しくなければ
  28. 私の国の功徳の少ない菩薩でも、菩提樹が限りなく輝き4百万里の高さであることを知れないようであれば
  29. 私の国の菩薩が、人々に弁舌を振るう智慧を得られなければ
  30. 私の国の菩薩が、人々に弁舌を振るう智慧に限りがあるようであれば
  31. 国土が清らかで数限りない仏がたの世界を照らさないようであれば
  32. 私の国が美しく飾られ、これにより菩薩たちが修行に励まなければ
  33. すべての仏がたの世界のものが、わたしの光明に照らされ身も心も和らがなければ
  34. すべての仏がたの世界のものが、教えを決して忘れない記憶を持たなければ
  35. すべての仏がたの世界の女性が、差別されるみであることを嫌ったにもかかわらず、ふたたび差別される女性の身となるようであれば
  36. すべての仏がたの世界の菩薩が、命を終えて仏道を成し遂げなければ
  37. すべての仏がたの世界の人々が私を敬い、喜んで修行に励まなければ
  38. 私の国の人々が、衣服を思いのままに身に着けられなければ
  39. 私の国の人々が受ける楽しみが、煩悩を断ち切った修行僧と同じでなければ
  40. 私の国の菩薩が、思いのままに仏がたの国を見通せなければ
  41. 他の国の菩薩が私の名を聞いて、不自由に思うならば
  42. 他の国の菩薩が私の名を聞いて、清浄解脱三昧の心を乱すようであれば
  43. 他の国の菩薩が私の名を聞いて、命を終えたときに尊ばれる家に生まれなければ
  44. 他の国の菩薩が私の名を聞いて、喜んで修行に励まなければ
  45. 他の国の菩薩が私の名を聞いて、普等三昧を得て、常に仏がたを見たてまつらなければ
  46. 私の国の菩薩が、聞きたいと思う教えをおのずから聞くことが出来なければ
  47. 他の国の菩薩が私の名を聞いて、直ちに不退転の位に至らなければ
  48. 他の国の菩薩が私の名を聞いて、直ちに音響忍・柔順忍・無生法忍を得て不退転の位に至らなければ

その後法蔵菩薩は次のようにおっしゃいました。「この願を果たせなければ、決して仏にはなりません。私の功徳や智慧の力も仏のようになり、すべての人々に教えを解き明かします。」

法蔵菩薩のその後

さて阿難は、お釈迦様に「法蔵菩薩はその後どうなったのか」を尋ねます。お釈迦様によると、法蔵菩薩はすでに無量壽仏となり西方の安楽国土にいらっしゃるそうです。悟りを開かれてからは既に大変長い時間が経過しており、その国はとても美しく清らかになっています。そして「無量壽仏の国に生まれたいと思い、わずか一回でも仏を念じれば皆、往生できる。特にこの大切な教えだけをいつまでもとどめておく。」とお釈迦様はおっしゃいました。

 

佛説無量壽経の解説

以上が佛説無量壽経の内容です。48願には多少理解に苦しむものもあるのが正直な感想ですが、要するに私たちが救われたいと思えば、たった一度の念仏を唱えるだけで無条件に極楽往生できます。それはなぜかというと、法蔵菩薩がそのように願っているからです。というのがこのお経が伝えていることです。

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